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2011年6月23日更新

8.5.3 予防処置

(1) 規定の趣旨

  • “8.5.2 是正処置”が顕在化した不適合の処置を扱っているのに対して、ここでは、まだ表に出ない潜在化している不適合の処置を扱っている。組織は、その潜在化している不適合に対して対策をとらなければならない。a)~e)の5項目に沿って、文書化した手順を作成することを規定している。また、記録の作成が求められている。

(2) f)項

  • “e)とった予防処置の有効性のレビュー”と修正された。レビューすることの対象である“有効性”が二重に規定されることになっても、代表的に“有効性”をレビューの対象と明記することで、規格の意図が明確になった。
  • 是正処置は顕在化した問題に対してとる処置であり、予防処置は潜在化している問題に対してとる処置であるとされているが、是正処置をしっかりととれば、是正処置の先の予防処置までつながる。すなわち、問題の再発防止に効果があるとして、是正処置と予防処置とは結局は同じことであるという考え方もある。

2011年5月20日更新

8.5.2 是正処置

(1) 規定の趣旨

  • ここでは、発見された不適合の再発防止を組織に要求している。そのためには、組織は発見された不適合の原因を特定し、その原因を除去することが重要であるとしている。規格は、a)~f)の6項目に沿って是正処置をとることを求め、組織に文書化した手順の作成を求めている。また、記録の作成が求められている。

(2) f)項

  • “f) 是正処置において実施した活動のレビュー”は、“f)とった是正処置の有効性のレビュー”に変更された。
  • これは、f)における“レビュー”が何のレビューか明確でないというコメントが多いことに基づくものである。審議においては、二つの文章が検討された。第1文案は、“発見された不適合の原因が除去されたかを明確にするため、是正処置において実施した活動のレビュー”、第2文案は“是正処置において実施した活動の有効性のレビュー”である。
  • レビューすることの対象“有効性”が二重に規定されることになっても、“有効性”を明記することによって規格の意図が明確になった。
  • レビューの対象は、とった処置そのものだけでなく、処置に関連するa)~f)の一連の活動すべてである。

2011年4月22日更新

8.4 データの分析

(1) 規定の趣旨

  • 組織は、その品質マネジメントシステムを継続的に改善するためには、各種データを有効に活かしていくことが必要である。ここでは、組織が必要と考えるデータを特定し、収集、分析して、a)~d)の4項目に活かすことを規定している。

(2) a)~d)に関する参照要求事項

  • ここでは、本文中のa)~d)において、分析したデータを提供するように規定しているが、そこに記載されている参照箇条について見直された。
  • a)は変更なし、b)は7.2.1を8.2.4にへ変更、c)は8.2.3及び8.2.4を追加、d)は7.4を追加ということになった。b)については、製品要求事項への適合性について分析するためには、データを入手する際の計画(7.2.1)から、実際のデータを入手する(8.2.4)までの過程がある。ここでは、データを分析するためには、分析の対象となっているデータ入手にかかわる要求事項のほうがより強く関係しているため、参照先を8.2.4に変えた。

(3) データの明確化

  • 第1文の“適切なデータの明確化”をめぐって議論があった。“組織は・・・・・また、品質マネジメントシステムの有効性の継続的な改善の可能性を評価するために適切なデータを明確にし、それらのデータを収集し、分析すること、”において、“明確にし”(determine)を削除して、目的をより意識させるようなシンプルな文章にすることでユーザの理解を得やすくすべきであるという提案である。最終的には“収集するデータの明確化”は重要なステップであるということで修正されなかった。

2011年3月23日更新

8.3 不適合製品の管理

(1) 規定の趣旨

  • 組織は、不良品を顧客に渡さないようにしなければならない。そのためには、不適合製品管理のルールを確立し、管理に関する責任、権限を明確にする必要がある。そこでここでは、a)~d)の4項目についての処理を含め、文書化した手順を作成することを規定している。また、記録の作成が求められている。
  • サービス業には“プロセスの実現即顧客への納入”という特徴があり、製造業のようなストックという概念がない(もちろん、ハードなものでは存在する)。a)~c)での規定の前提である“不適合製品を識別し管理すること”は困難であると以前からコメントされていた。

(2) d)の追加

  • この修正は、“サービス業においては、不適合製品はサービス提供と同時に発生することが多いため、顧客に影響を与える前に処置をとることが困難である”という前提がある。だからこそ“7.5.2 製造及びサービス提供に関するプロセスの妥当性確認”の要求があるという反論もあるが、今回は現実的な対応への配慮を重視した。
  • なお、この修正に伴って、a)~d)の前に、“該当する場合には”という文言が追加された[本節(3.3)を参照]。

2011年2月1日更新

8.2.4 製品の監視及び測定

(1) 規定の趣旨

  • ここでは、組織が実施しなければならない監視及び測定について規定している。JISQ 9001:2008では、検査(inspection)という用語は、2ヶ所[7.1 c)、7.4.3]で使用されているが、ここにおける監視、測定という用語も、製造業においては検査と考えられる。顧客に製品を出荷する責任者の記録への明記も要求されている。また、記録の作成が求められている。

(2) 合否判定基準

  • “合否判定基準への適合の証拠”は必ず“記録”でなければならないかというところから始まった。審議の結論は、“合否判定基準への適合の証拠”は記録の形が多いのは確かであるが、必ずしも記録でなくてもよいというものであった。必ずしも記録でなくてもよい。(記録であってもよい)
  • “顧客への引渡しのための製品のリリースを正式に許可した人を、記録しておかなければならない(4.2.4 参照)と訳した。

(3) 製品のリリース

  • 製品のリリースは、中間のプロセスでも発生するし、最後の顧客への引渡しでも発生する。ユーザ調査のいくつかのコメントに対応して審議した結果、ここでの規格の意図は、顧客への引渡しにあるという結論になった。もちろん、“製品のリリース”の意味合いに、中間プロセスでの引渡しがあることを否定するものではない。この修正は、規格は“製品のリリース”について必要最低限の要求をしようとした結果である。

(4) リリース

  • “プロセスの次の段階に進めることを認めること。”としているので注意が必要である。すなわち、単に次のステップに進めるのではなく、承認行為をいっていることに留意していただきたい。
  • プロセスの次の段階に進めることができるかどうかを判断するには、プロセスごとに判断基準がなければならない。例えば、管理項目、管理水準、管理状態の判定方法などが決まっていなければならない。
  • 記録者、データサンプリング方法、使用設備・測定機器・異常時の処置ルール、処置責任者なども決めておくとよい。
  • このように、リリースを実行するためには、工程管理をきちんと行っておくことが必須であり、そのためには次のような活動が必要となる。
    ① 工程フローチャート
    ② 管理特性の決定
    ③ 工程に関係する人員、組織とその業務内容
    ④ 前後工程との関係の明確化
    ⑤ 工程に関係する技術標準、作業標準の整備

2011年1月31日更新

8.2.3 プロセスの監視及び測定

(1) 規定の趣旨

  • ここでは、組織は品質マネジメントシステムのプロセスを監視し、測定するための適切な方法を明確にすることを要求している。その方法は、プロセスが計画通りに実施されているかを実証できる方法でなければならないと規定している。ここでの“プロセスが計画どおりの結果を達成する”とは、まさしく有効性のことをいっているのである。

(2) 製品の適合性

  • 第3文にある、“製品の適合性の保証のために”が削除された。これは、“製品の適合性の保証のために”が、ここで求めている“プロセスの保証”と混乱し、次の“8.2.4 製品の監視及び測定”との区別を不明確にするとのコメントを受けての審議結果であった。結果的にこの部分は、“計画どおりの結果が達成できない場合には適切に、修正及び是正処置をとらなければならない。”と修正された。

(3) 注記

  • 新しく注記を起こすことになった。第1文には、“適切な方法”の適用という文章が出てくるが、どのようなものであるかという質問が寄せられ、審議した結果、注記に例示することになったものである。

2010年12月1日更新

8.2.1 顧客満足

(1) 規定の趣旨

  • 組織が自身の品質マネジメントシステムを改善するためには、組織が顧客からどのように評価されているのかを知らなければならない。ここでは、顧客要求事項を満足しているかどうかの受けとめ方を監視することを求めている。

(2) 注記

  • 顧客がどのように受けとめているかの監視には、顧客満足度調査、提供された製品の品質に関する顧客からのデータ、ユーザ意見調査、顧客からの賛辞、補償請求及びディーラ報告のような情報源から得たインプットを含めることができる。
  • “顧客からの賛辞”原語は“compliments”であり、顧客からの感謝の手紙などを意味している。これは、“顧客がどのように受けとめているか(perception)についての情報を監視することは具体的にどのようなことをいうのか明確にしてほしい”とのユーザ調査結果を受けての対応である。

8.2.2 内部監査

(1) 規定の趣旨

  • ここでは、組織が実施する内部監査のやり方について規定している。内部監査は、あらかじめ定められた間隔で実施しなければならないが、その方法は文書化した手順に規定することが求められている。内部監査の目的は、a)、b)の二つに示されているとおりで、品質マネジメントシステムが効果的に実施されるために、発見された不適合には遅滞なく、修正及び是正処置の処置をとることが重要である。

(1) 記録

  • 内部監査の記録の作成が明確になっていないとして、第4段落に“監査及びその結果の記録は、維持しなければならない(4.2.4参照)。”と明確に規定された。

(1) 必要な修正及び是正

  • “・・・・・発見された不適合及びその原因を除去するために遅滞なく処置がとられることを・・・・・”の部分に、“必要な修正及び是正”という文言が追加になり、“・・・・・検出された不適合及びその原因を除去するために遅滞なく、必要な修正及び是正処置すべてがとられることを・・・・・”と変更された。
  • この部分に対しては、どのような処置をとるべきかという質問が寄席られたことにより審議した結果である。これで、遅滞なくとるべき処置は、必要な修正と是正であることが明確になった。
  • “発見された”をより適切な訳“検出された”に変更した。

2010年11月1日更新

7.6 監視機器及び測定機器の管理

(1) 規定の趣旨

  • ここでは、組織が製品実現を監視したり、測定したりする機器の管理を規定している。測定値の正しさが厳しく要求される場合には、測定機器の管理はa)~e)の5項目を満たすように要求している。また、コンピュータソフトウェアを監視及び測定に用いる場合の要求事項も規定している。
    なお、記録の作成が求められる。

(2) a)項

  • 校正と検証は別々に行われるほかに、同時に行われることもあり得るという意見からa)の“・・・・・校正又は検証する。”から“・・・・・校正若しくは検証、またはその両方を行う。”に変更された。
  • 校正とは、計量標準に照らして機器の指示値と真値との関係を求めることである。 なお、校正は、規格によっていろいろと異なる定義がある、定義のうちの大きな相違 は、機器の指示値と真値との関係を求めた。
  • 検証とは、機器への規定要求事項が満たされていることを確立することである。すなわち、決まったように測れるか、キズがついていなかなどの規定要求事項を確認することである。

(2) c)項

  • “校正の状態が明確にできる識別をする。”の意味が不明確であるという要望に対して、
    ”校正の状態を明確にするために識別を行う”に変更された。

2010年10月1日更新

7.5.3 識別及びトレーサビリティ

(1) 規定の趣旨

  • 製品は、例えば、品名、行き先、良品、不良品、保留品などいろいろな状態を明確に識別しておかなければならない。また、状況によっては、過去にさかのぼれる(トレーサブルである)ように工夫をしておかなければならない。規格は、これらのことを組織に対して要求している。また、記録の作成がもとめられている。

(2) 製品実現の全過程

  • 第2段落において、第1段落との整合性向上のため、“製品実現の全過程において”を追加した。
  • “unique”の訳を“固有”から“一意”と原語の意味を汲んだものに変更した。

7.5.4 顧客の所有物

(1) 規定の趣旨

  • 組織は、製品を実現する際に、顧客からの部品、設備、ノウハウその他を預り、製品実現のプロセスを推進する場合がある。ここでは、このような場合を想定して、組織が実施しなければならない顧客からの預かり物の管理について規定し、その実行を要求している。また、記録の作成が求められる。

(2) 注記

  • 時流により、顧客の所有物には、知的所有権のほか、個人情報も含まれるとし、修正した。
  • “intellectual property”の訳を“知的所有権から“知的財産”に変更した。

2010年9月1日更新

7.5.2 製造及びサービス提供に関するプロセスの妥当性確認

(1) 規定の趣旨

  • この箇条では、組織は、製品(サービスを含む)の製造及びサービス提供の過程で結果として生じるアウトプットが、それ以降の監視又は測定で検証することが不可能な場合には、該当するプロセスの妥当性確認を行うことを要求している。
  • その要求するところは、製造及びサービス提供プロセスそのものが品質を保証できるようになっていることであり、そのためにはa)~c)の5項目のうち、適用できるものを確立するよう規定している。また、記録の作成がもとめられている。

(2) 本文

  • 2008年版では、二つの文章をつなげて、“・・・・・アウトプットが、それ以降の監視又は測定で検証することが不可能で、・・・・・場合には、組織は、その製造及びサービス提供の該当するプロセスの妥当性確認を行わなければならない。”と修正変更した。
  • “特殊工程(special process)に焦点が当てられ、妥当性確認を必要とするプロセスは特珠工程であることが明確になった。
  • 品質管理では“工程で品質を作り込む”ことが推奨されるが、その方法として中間製品の検査及びプロセスの妥当性確認がある。一般に検査よりも妥当性確認のほうが源流で品質を作り込め、原因・要因系を抑えることができるので、目的達成の手段としてはレベルが高い。

2010年8月1日更新

7.5.1 製造及びサービス提供の管理

(1) 規定の趣旨

  • ものづくり産業に対しては“製造”、サービス業に対しては“サービス提供”という呼称で、いずれも組織の製品実現のプロセスの一つである“製造およびサービ提供の管理”をここで規定している。
  • 組織は、製造及びサービス提供の計画を作成し、管理された状態で製品実現を実施しなければならない。管理された状態にはa)~f)の6項目を含まなければならないとしている。

(2) 本文

  • JIS Q 9000の3.10.4には“測定機器”(measuring equipment)の定義として、“測定プロセスの実現に必要な、計器、ソフトウエア、測定標準、標準物質又は補助装置若しくはそれらの組合せ。”とあり、ソフト的なものも対象にしている。
  • このような審議の背景から、今まで“device”の範疇であると思われていたチェックリストのようなソフト的な監視の手段は、2008年版では“equipment”の範疇に入ると考えることとなる。
  • “equipment”の意味を英和辞典で調べると、設備、装置のほか、支度、準備、知識、技量といった多くの意味があることがわかる。この原文における“equipment”への統一は、“7.6 監視機器及び測定機器の管理”にも一律適用されるが、これもJIS Q 9001:2008には影響しない。

(3) f)項

  • f)にある“リリース”が何のリリースか明確にするため、“製品のリリース”と修正された。なお、念のため言及しておくと、ここでの“引渡し及び引渡し後の活動”の規定は、“7.2.1製品に関連する要求事項の明確化”のa)で要求されている。
  • f)の“リリース”が“製品のリリース”と修正されたことを受けて、JIS Q 9001:2000のf)にあった、リリースへの括弧書き“(次工程への引渡し及び引渡し後の活動”の規定は“7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化”のa)で要求されている。
  • これは、以降の“8.2.4 製品の監視及び測定”、“8.3 不適合製品の管理”に現われるすべての“リリース”にも適用される。

2010年7月1日更新

7.4.2 購買製品の検証

(1) 規定の趣旨

  • ここでは、組織が購買品を受取るときには、受入検査、その他の活動を実施するように要求している。

(2) 本文

  • 2000年版では、“組織又はその顧客が、供給者先で検証を実施することにした場合には、組織は、その検証の要領及び購買製品のリリース(出荷許可)の方法を購買情報の中に明確にすること。”とあった。現実的には“出荷許可”しか考えられないので、2000年版ではあえて限定し訳出した経緯がある。しかし、必ずしもそうではなく、中間工程で検証することもあり得るので、2008年版では“(出荷許可)”を削除した。
  • リリースは、JIS Q 9000の定義にあるように“プロセスの次の段階に進めることを認めること。”であり、中間工程及び最終工程(出荷)の両方にありうることが読み取れる。

2010年6月1日更新

7.3.3 設計・開発からのアウトプット

(1) 規定の趣旨

  • 組織は、設計・開発を実施した後、設計・開発からの出力が適正なものかを検証したうえで、次の段階に進めてよいかを決めなければならない。ここでは、設計・開発からのアウトプットとしてa)~d)の4項目を規定している。

(2) 検証ができるような様式

  • “・・・・・インプットと対比した検証ができるような様式で提示されること”が、“・・・・・インプットと対比した検証を行うのに適した形式でなければならない”に変更された。これは、“検証ができるような様式”の表現が明確でないという提案を受けた形である。

(3) 注記

  • “設計の範囲に製品を保護、補完する‘パッケージ’は含まれるのかを明確にしてほしい”とのユーザ調査結果があり、議論した結果である。
  • 文案として“製造及びサービスの提供は製品の保存を含む”を提示したが、“製品保護のみの表現で、ユーザへの製品情報がない”、“7.5.5と関連付けがない”などの反論があり、さらに議論をかわした。
    その結果、製品の保存が製品の品質に影響を及ぼす場合には含める必要があるため、注記が追加された。

(4) 本文

  • “様式”から“形式”に変更した。これは、様式という語訳が“書式”をイメージさせるからである。

2010年5月1日更新

7.3.2 設計・開発へのインプット

(1) 規定の趣旨

  • ここでは、製品の設計及びそれ以降の展開(開発:development)の計画作成を規定している。設計・開発の計画は、a)~c)の3項目を明確にしたものでなければならない。特にb)では、設計・開発のレビュー、検証及び、妥当性確認の三つの明確化を要求している。また、効果的なコミュニケーション及び責任の割当てなども要求している。

(2) 本文

  • 主文には“include”(含む)とあるが、このことはa)~d)のインプットだけが設計・開発へのインプットの全てではないことに留意する必要がある。したがって、設計・開発へのインプットの適切性のレビューは、a)~d)に限らず、製品要求事項に関連するものすべてである。

2010年4月1日更新

7.3.1 設計・開発の計画

(1) 規定の趣旨

  • ここでは、製品の設計及びそれ以降の展開(開発:development)の計画作成を規定している。設計・開発の計画は、a)~c)の3項目を明確にしたものでなければならない。特にb)では、設計・開発のレビュー、検証及び、妥当性確認の三つの明確化を要求している。また、効果的なコミュニケーション及び責任の割当てなども要求している。

(2) 注記

  • “設計・開発のレビュー、検証及び妥当性確認は、異なった目的を持っている。”とある。設計・開発のレビューとは、設計の適切な段階で設計のアウトプットが要求事項を満たすことができるかどうかの適切性、有効性などを評価することである。設計・開発の検証とは、設計からのアウトプットがインプットで与えられている要求事項を満たしているかを確認することである。また、設計・開発の妥当性確認とは、結果として得られる製品が指定された用途又は意図された用途を満たし得ることを確実にすることである。
  • このように、設計・開発における三つの要求事項は、それぞれ異なる目的を持っているが、例えばレビューを設計・開発の最終段階で計画的に実施することで検証の目的もカバーできる組織や製品があるかもしれない。同様に、レビューとしてロールプレイ、模擬演技/リハーサルなどを行うサービス業などでは、内部の目で見ればレビューであるが、顧客の目で見れば妥当性確認になるかもしれない。
  • “何が設計か”は、何が製品かによって変る。例えば、サプライチェーン上流組織である親企業が市場に提供する最終製品を設計する場合は、当然のことながら設計とはその最終製品の設計である。親企業から最終製品の設計図が供給され、その製品のユニットのアセンブル(組立て)を専業とする組織の場合、設計とは、提供する“部組み品”サブユニット)の組立て方の設計である。
  • 親企業では設計とはみなされなかったプロセス設計が、次のサプライチェーン組織においては設計とみなされることを意味している。例えば、コンピュータが製品であるセットメーカでは“コンピュータそのものが設計の対象”である。しかし、コンピュータのサブユニット組立てが製品の組織においては、“サブユニットの組立て方”が設計になるであろう。

2010年3月16日更新

7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化

(1) 規定の趣旨

  • ここでは、7.1の“a)製品に対する品質目標及び要求事項”を受けて、製品に関連する要求事項を明確にすることを規定している。組織は、規格が規定しているa)~d)の4項目を明確にしなければならない。

(2) a)項

  • a)にある“引渡し後の活動”の例示を、注記を新たに設けて示すことになった。これは引渡し後の活動とはどのようなものかを明確にしてほしいというユーザ調査結果が あったことによる。
  • 注記に例示されているような引渡し後の活動は、契約時に明確にしておくことがポイントである。ただし、引渡し後の活動は、いつ引渡されたかが明確にならないと、その活動が定義できないことに留意しなければならない。

(3) c)項

  • “製品に関連する法令・規制要求事項”から “製品に適用される法令・規制要求事項”に変更された。製品に焦点を絞った法令・規制要求事項を意味するように変えたいということである。

(4) d)項

  • “d)組織が必要と考える追加要求事項”とする案も検討されたが、本質的な変更ではないとして、JIS Q 9001:2008では、“d)組織が必要と判断する追加要求事項すべて”とした。“すべて”を追加したのは原文“any”の意味を汲んだものである。

2010年2月8日更新

7.1 製品実現の計画

(1) 規定の趣旨

  • 箇条7全体で、組織の製品を実現させるプロセスについて規定している。7.1では、 製品を実現させるプロセスを明確にし、それら一連のプロセスをどのように展開して いくかの“製品実現の計画”策定を要求している。規格はa)~d)までの4項目を規定 し、製品実現の計画に該当するものを明確にすることを求めている。また、記録の作成 が求められている

(2) c)項

  • c)の記述に“測定”を追加したが、これは次に示す4.1、7.5.1、7.6の記述との整合性 を向上させた結果である。修正後は、“c)その製品のための検証、妥当性確認、監視、測定、検査及び試験活動、並びに製品合否判定基準”となった。

2010年1月29日更新

6.4 作業環境

(1) 規定の趣旨

  • 製品要求事項への適合を達成させるために必要な"作業環境"を明確にして、運営管理することをここで規定している。対象は製品の品質に影響を与える要素であり、人に関係するものは求めていない。例えば、労働安全や人へのモチベーションなどはここでの規定に含まれない。

(2) 本文

  • "製品要求事項への適合を達成するために必要な作業環境を列挙する"ことこそがISO9001では重要で、それを達成することに注力しなければならないが、その列挙する方法は組織が決めればよい。
  • 代替案として、注記を新たに設け、規格の意図する作業環境を例示することになった。規格は、"製品の品質に影響のある"作業環境を意図しており、作業者の安全を確保する作業環境は意図していない(食品の品質に影響する衛生は意図している)。この箇条の実務への適用においては、作業者の保護(安全問題)と製品の品質保護とは一体になる場合もあり得るので、一体化されることを否定するわけではないが、規格の意図はあくまでも製品の品質の確保にあるのであって、作業者の保護にあるのではないことを明確にしておきたい。
  • 人に関する部分(社会的・心理的要因、表彰制度、人間工学的側面)は除外している。

2009年12月28日更新

6.3 インフラストラクチャー

(1) 規格の趣旨

  • 組織が製品を実現させるためには、主要なプロセスである箇条7だけでは不十分であ る。組織には必ず主要なプロセスを支える支援プロセスや基盤(インフラストラクチ ャー)があり、それらが維持されなければ品質マネジメントシステムも維持されない。 例えば、ここに規定されている輸送、通信、情報システムなども支援プロセスである。 当然のことながら、建物、電気、ハード・ソフト設備もインフラストラクチャーの対象になる。
  • c)の支援体制に“情報システム”が追加された。
    “情報システム”の意味するものは、情報関係のハードウエア(機器・装置など)及 びそれを機能させるためのすべてのものである。例えば、情報システム室などが機能するすべてのもの、顧客クレーム、顧客の意見などの蓄積の仕組みなどがあげられる。